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さて……、
そもそもが、「♪東京生まれ、東京育ち」である俺にとって……、
さらに言えば、「悪いヤツはだいたい友達♪」でもある俺にとっても……、
地方色豊かな「プレミアムギターショウ」は、
実に魅力的であった。
……井の中の蛙大海を知る。
住み慣れた“東京”から一歩踏みでることに、臆病になっていた俺。
“東京”が日本の中心地だと、うそぶいて生きてきた俺。
そんな俺に、
極東の島国の、「でかさ」「多様性」を思い知らす、
今回の「プレミアムギターショウ」でもあったのだ。
果たして今回は、岐阜県からやってきた KAMO BROTHER MUSIC CENTER だ。

合掌造りで有名な、
世界遺産“白川郷”を擁し、
日本の中央部に位置する岐阜県。
実に……その通り。
地理的に言えば、
歴史の息吹を感じさせる岐阜県こそが、
日本の中心地なのだ。
果たしてその南部に位置する美濃加茂市の老舗楽器店に、
俺はやってきた。

そのブースで、
俺の前に立ちふさがる男の名は……小瀬木章典(おぜきあきのり)。
俺は言った。
小瀬木「52年製というのが珍しいです。
サイドバック……この“横”と“裏”をご覧ください。
ブラジリアンローズウッドを使用しています」
―― ほー。なんだか重厚な気がしてきた。
珍しい木なの?
小瀬木「(笑)はい。
今は、ワシントン条約で伐採禁止になってまして、
まったく作られていません。
今のギターはローズか、マホガニーが使われています」
―― へー! なんともまぁ。
お土地柄、まさに“世界遺産的”な逸品だね(笑)。
……だけど、こういうギターは、
実際どこで仕入れてくるの?
小瀬木「これはアメリカに直接仕入れに行って、
LA近郊で手に入れました。
うちは、年に数回はアメリカに仕入れに行ってるんですよ」
―― ところで、岐阜県はどう? 楽器屋さんとして……
小瀬木「まぁ(笑)、東京に比べれば人口も少ないですが……ね。
こういうのを買う人は、
40代、50代の人が多いから、
あんまり関係ないです。
最近は、ネットで見て店頭に来てくれます。
ホントに欲しい人は見にきてくれますし、
あんまり“地方”のデメリットってないですね。
うちはね、
1934年からやってるんですよ。
ずーっと岐阜です(笑)」
…………1934年。
…………昭和9年。
なんともまぁ、戦前じゃないか!
実に73年も続く老舗じゃないか!
あぁ……。
俺は……歴史の重さに震えていた。
しかし、
震えてばかりはいられない。
なぜなら俺には言わねばならない台詞があったから。
そのために俺はここに来たのだから。

俺は弾く。このブースで一番高いギターを弾く。
曲はもちろん
「スモーク・オン・ザ・ウォーター」
…………衆人環視のもと、実に嫌な汗をかきながら弾く。
おなじみの追記。
「平成のリッチー・ブラックモア」=「三鷹のリッチー」=「俺」。
そんな俺のプレイのためだけに、使用許可申請をJASRACに出してある。
JASRACお墨付きの、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」だ。
168万円の世界遺産的サウンドを……
合掌造りを思い浮かべながら、お聞きください。
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最後に
俺は小瀬木に聞いた。
―― ところであんたがガツーンときたバンドを教えてくれ
小瀬木「イーグルスが好きですね」
―― イーグルス! ホテルカリフォルニア!
そいつはいい。実にいいバンドだ。
きっとあんたの店には、
“69年以降”もしっかりとした“スピリット”があるんだろうな。
岐阜からの使者……
KAMO BROTHER MUSIC CENTER。
俺は決意した。
いつか必ず…………実際に、
おまえの「店」で一番高いギターを弾いてやる。
新幹線で、行ってやる! ついでに白川郷にも行ってみたい……。
さぁ、
震えて待つがいい。
果たして
俺の旅はまだまだ続く…………
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