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実際のところ、
365日の中の、たった数日でしかすぎないんだ。
だけども、
なぜだかその日々だけは、
世界中のほとんどの人にとって “特別”だ。
60億の“特別”。
いつまでたっても、政治や宗教や人種の違いで、
いがみ合う俺たちだけど。
地球が回り続ける限り平等に訪れる……。
俺にも……
君にも……
ハッピー ニューイヤー……2008。
ハレとケ……非日常と日常。
格別にハレの日だからこそ、“非日常”なるギターで、
まずは新年を彩ろう。
アルフィー高見沢の、ハレなるギターの数々。
実にめでたく、実に豪勢だ。
果たして、高見沢ギターを作り出す、オーダーメイドの雄
…………ESP。
その直営店、渋谷クラフトハウスへ俺は出向いた。
いやはや、ジミー・ペイジも実際に触れて、
絶賛したという高見沢ギターが飾られた店内。
実際に、この場所で、高見沢ギターが作られている。
もうすぐ、500本に及ぶというギター界の重要有形文化財。
俺はそれらを睨みつけながら、
“高いギター”を求める己の宿命を感じていた。
果たして……。
並々ならぬ俺の殺気に、
一人の男が眼前に立ちふさがる。
そいつの名は……中村功。
俺は言った。
中村「ネックスルー・ボディが特徴の、ESPオリジナルギターです」
―― ネックスルー・ボディ?
中村「はい。ご覧ください。ネックとボディのつなぎ目が、
まったくわからないでしょ、職人技が使われているんです」
―― えっ? どれどれ……。
―― ホントだ! ぜんぜんわかんない。ツゥルツゥルだ。
中村「表面の木目もきれいでしょ。
受注生産なんで、4カ月くらいかかりますね。
そうそう、うちのギターには
ギターによって “K”とか“S”って文字が、
刻印されているんですが、意味わかります?」
―― えっ? K・S? えーっと………空気(K)……さむい(S)……みたいな?
中村「……。(無視)
作られた場所を示しているんですよ。
Kは木曽の工場、Sは佐渡の工場。
今後、ESPのギターを手に取ったら、是非見てくださいね(笑)」
―― へー。木曽の工場と佐渡の工場。
まじで、一度行ってみたいもんだ。
しかし、飲み屋でおねーちゃんにウケそうなネタ……じゃないけど、
なんか知って得した気分。
中村「そもそもESPはオーダーメイドからはじめた会社なんです。
今年で32周年なんですが、
最初は小さいバンひとつでスタートしたそうです。
会社を作るにあたって、。
“安いものをたくさん売る”のか、
“いいものをプロに提供していくのか”……考えたらしいですよ。
で、“いいものを〜”コースを選択して、今にいたるってわけです。
だから、ギター造りには、相当こだわりがあるんです」
いやはや……………ESPは選んだ、“いいものを〜”コースを。
さらりと言ってのける“コース選択”の逸話も素晴らしい。
果たして、人には、
人生の岐路に立たされ、己が信念を真正面から問われる……
そんな場合がある。
“理想”と“現実”……その狭間で人は苦しみもがく。
妥協と打算の積み重ねで、生きざるを得ない日常を……君は送っていないか?
「あなたは、あなたの人生で、
今、何コースを選んでいますか?」
あぁ、俺は、俺自身にも問いかける。
ただひとつ、タフで粗野な俺が言えることは……
己の信念だけは、ぜったいに曲げるな……ということである。
人生の帰路に立つ、すべての“迷い人”に捧げる新年1発目の言葉。
俺には言わねばならない言葉だった。
なぜなら、そのためにこの店にきたのだから……。

俺は弾く。この店で一番高いギターを弾く。
曲はもちろん決まっている……。
「スモーク・オン・ザ・ウォーター」
…………新年に、信念をかけて弾き倒す。
おなじみの追記。
「平成のリッチー・ブラックモア」=「三鷹のリッチー」=「俺」。
そんな俺のプレイのためだけに、使用許可申請をJASRACに出してある。
JASRACお墨付きの、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」だ。
2008年度版のメロディをお楽しみください。
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俺は中村に聞いた。
―― ところで、オーダーメイドってことは、
俺でも、俺オリジナルのギターを頼めちゃうわけ?
中村「もちろんです。
たとえば、高見沢さんのギターなんかも、完全フルオーダーですよね、
当然ながら……(笑)。
あそこまで、こだわれば凄い値段になりますが(笑)
普通に、オーダーされるなら、
必ずしも高くはないんですよ」
―― え? いくらくらいなの?
中村「(笑)だいたい50万円くらいでできますよ。
ただ、木だけで25万〜30万円くらいするんで、
それを考えると、…………高くはない値段でしょ?
フルオーダーってのは、なかなかないですよ」
―― なるほど……。ってか、木ってそんなにするんだ。
中村「はい。ちょっと見ます? ……コチラ」
中村「マホガニーと、メイプルの組み合わせなんです。
王道の組み合わせですが、これはギブソンのレスポールがそうですね。
二層になっているんですが、下がマホガニー、上にメイプル」
―― ほぉ…………。これが…………ギブソン!
中村「一方、こちらは一枚板ですが、アルダーって木材の板です。
この木をボディに使っているのがフェンダーです」
―― な、な、なんと…………これがフェンダー!
果たして、俺の眼前に並べられた二つの木の塊。
じっと凝視する。
こっちがギブソン……、こっちがフェンダー……
ギブソン…、フェンダー…、ギブソン…、フェンダー………。
いかがだろうか? エレクトリックギターの歴史に名を連ねる、
ふたつのギターの姿が、木の塊から沸き立つように……
見えてこないだろうか?
…………どうぞ、目を細めて。
…………どうぞ、画面から離れて。
こっちがギブソン、こっちがフェンダー……と。
果たして
最後に俺は中村に聞いた。
―― ところであんたがはじめてガツンときたバンドは?
中村「メタリカです。アークエネミーも好きですね。
もちろんメガデスも。
ええ、……メタル野郎なんです」
―― おお、メタル野郎。
そいつはいい。実にいい。
…………俺、元メガデスのギタリスト知ってるよ。
西新宿に住んでる………………。
果たして
俺の旅は…………まだまだ続く。
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